伊豆下田の南豆製氷を  未来に活かすサイトです。
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カテゴリ:日誌( 74 )
日誌 2014.4.27
今日は朝から数人が住吉稲荷に集まった。
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須崎町の住吉稲荷は海で働く人の守り神。江戸時代から
今日にいたるまで地元の厚い信仰を集めてきたお宮さんだ。
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大正から昭和にかけて下田は漁業基地として大いに栄えた。

市内唯一の国登録有形文化財だった南豆製氷は、大正12年
(1923年)に地元の旦那衆の出資で伊豆製氷冷蔵株式会社の
下田工場として建造された。伊豆で最初の近代製氷工場だった。

下田の水産業の近代化に貢献し、2004年に廃業するまで
実に80年以上にわたって現役工場として氷を供給し続けた。
近代日本の製氷工場として国内でも希少な産業遺産だった。

廃業後は地元の商店主らを中心にランドマークとして保存して
下田の活性化に利用しようという声が上がり、それが一般市民や
下田TMO、建築家、行政をも巻き込んだ保存運動へと発展していった。

南豆製氷で飛んだり跳ねたりしていた私たちの活動も含めて、
住吉稲荷は何百年間も下田の人々の営みを見守ってきた。

2006年、私たち応援団が南豆製氷を拠点に活動していた頃、
お稲荷さんの陶製の狐が一匹、なぜか南豆製氷でみつかった。
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以後、機械室の壁にかまぼこ板で作った台をしつらえて(笑)、
そのお狐さんを住吉稲荷からの使者として祀っていたのだ。
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今日はそのお狐さんを奉納してこれまで見守ってくれた
住吉稲荷の神さまに感謝した。
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南豆製氷が消失して日当たりが良くなった場所に花が揺れていた。
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by nanzu-plus | 2014-04-27 09:00 | 日誌
日誌 2013.12.4
日誌 2013年12月4日(水)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。

今日は南豆製氷で大変お世話になった方にお会いできた。
たまたま別の用事で近隣までいらしていて南豆製氷に立ち寄られた
とのことで、本当に偶然だった。

この方は静岡県の文化財の権威だが、旧町側を向いたファサードを
前に「もったいない」を連発されていた。
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南豆製氷の写真を撮って、旧町内の某茶店へ。

友人の萩原和美さんがやってきたので、南豆製氷について話をする。

南豆製氷は21世紀まで現役の工場だったため地元の市民にもほとんど
知られていなかった。

そこで、南豆製氷応援団が建物の管理運営を担当していた2005年から
四年間、できるだけ多くの人にまずは南豆製氷に足を運んでもらおうと、
土日祝日は一般公開して応援団のメンバーがガイド役を務めた。そして
毎週のようにイベントを開催した。
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下田には他にレトロな趣のある会場が少ないこともあって、時の流れが
随所に刻み込まれた伊豆石の空間は内外のクリエイティブな人たちの
間で特に人気が高かった。自作の展示、演奏、創作活動に使いたい
という人が次から次へと現れた。

プロジェクターを使って幻想的な空間を生み出す台湾のアーティスト、
タン・ジュイチェンさんもその一人だった。彼は2007年3月16日に
第一製氷室で『満月のピクニック』という映像イベントを開催したのだが、
その際に朗読を担当したのが、萩原さんだった。
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これをきっかけに、萩原さんは2008年には半年にわたって毎月一回
『温故知新』という詩の朗読会を開催、機械室の石壁の空間に知的で(笑)
エキサイティングなことばの世界が展開したのだ。
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その同じ年の暮れには南豆製氷は解体のため工事用のシートに覆われて
しまった(このシートは二年後に取り外された)。
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今度シートに覆われてしまえば、二度と建物を見ることはできない。

下田の教育委員会が解体時に調査を実施することになっているのだが、
その際に産業遺産の専門家、石造建築の専門家、伊豆石の専門家にも
なんとか調査に加わってもらえないものか…。

南豆製氷はこれまで各分野の専門家による公式の調査が実施された
ことがない。このままでは客観的に評価されることなく失われてしまう。

時間がない。焦る。

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このブログを読んでくださっている方で、そのような専門家に
お心当たりのある方は、南豆製氷応援団(はなぶさ)まで
至急ご連絡ください→090-4847-9646。よろしくお願いします。

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by nanzu-plus | 2013-12-04 23:55 | 日誌
日誌 2013.12.3
日誌 2013年12月3日(火)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。
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夕方、南豆製氷へ。

昨日は駐車場の車がいなかったので、いよいよ解体用のシートに
覆われてしまうのかと思ったが、建物の周辺には変化はなかった。

ちょうど帰宅途中のIさんが通りがかる。南豆製氷をこれまで残して
くださった所有者の方に下田市民がお礼をいう機会がなかったので
所有者に感謝を表す≪ありがとう募金≫をやってはどうかと
提案してくれた市民の一人だ。
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橋の上で立ち話をしているところへ、今度はAさんがやってきた。
この人もこれまで様々な形で南豆製氷にかかわってくれた人だ。
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長々と立ち話。模型を作りたいねという話が出てくる。

南豆製氷の模型といえば、2007年に下田まち遺産連携会議と南豆製氷
活用グループの活動の一環として制作された40分の1模型があった。
東京大学生産技術研究所の腰原研究室と日本大学理工学部建築学科の
山中研究室の皆さんが制作した“交流の場として活用されている
未来の南豆製氷”を表現したものだ。
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企画展のたびに展示してきたのでご覧になられた方も多いと思う。
(残念ながら痛みが激しくなってきたので今年処分せざるを得なかった)

Aさんによれば、ウェブに無料のソフトがあるので誰でも3D模型が
作れるそうで、そうやって3Dで再現された歴史的建造物などが
GOOGLE MAPに掲載されているという。

夜、そのSKETCH UPというソフトを見てみた。が、建築の素養あるいは
センスのある人でなければ難しいのではないかと思った。

南豆製氷については前述の構造家の腰原先生と学生さんらが制作した
綿密な図面もあるし、大正15年(1926年)の製氷業界誌に先端的な
工場として紹介された際の紙面に建造当初の図面も残っている。

南豆製氷の模型づくり、誰か挑戦しませんか。
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by nanzu-plus | 2013-12-03 23:55 | 日誌
日誌 2013.12.2
日誌 2013年12月2日(月)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。
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下田旧町内の市民ギャラリーいっぷく堂が使えなくなったので、
取り急ぎ別の会場を押さえる。空いていて良かった。ホッと一息。

現時点では会期は年が明けてからの2月8日から16日の予定。

今では130件も登録されている“下田まち遺産”の原点となった
かけがえのない建物に最大限の敬意を表す内容にしたいと思う。

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詳細が確定次第、このブログでお知らせします。

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南豆製氷資材の保管場所の窓口である下田市建設課に連絡。
こちらは進行中の≪近代のかけらを未来へ≫計画※の件だ。

※11月29日の日誌をご覧ください。

市が南豆製氷を市民の共有財産として購入することを目指していた
当時、尽力してくれた市の職員はとっくに異動しているので、
応対してくれた若い職員には背景の事情がわからない。

この5年間、市に提供していただいてきた保管場所は今年度内に
撤収するよう促されているのだが、200枚ほどの製氷缶のふた、
果たして再生に向けて無事に未来へ送り出すことができるだろうか。
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そして、それよりもさらに悩ましい問題があるのだ。

南豆製氷は国内でも希少な近代日本の製氷工場。それも、伊豆の
伝統産業であった石造技術を用いた半島最大の伊豆石建築だ。
審査基準を軽々とパスして国の登録有形文化財に指定されている。
それも、下田市内唯一の国登録有形文化財なのだ。

市が購入を断念した経緯が尾を引き続けているとはいえ、
そんな重要な歴史的建築物を調査もせずに失ってはならない。
ということで、市の教育委員会は解体の際に建物の調査を実施する
件について以前から所有者の方の快諾を得ている。

ただ、解体工程に影響を与えないように行われる“解体時”調査は
産業遺産や石造建築の専門家が行うものではない。

大正末期に伊豆製氷冷蔵株式会社の下田工場として伊豆で最初に
建造された南豆製氷は、その後80年間にわたって地域の水産業に
氷を供給し続けた現役工場だったため、静岡県の産業遺産には
登録(認識)されてこなかった。

つまりこのままでは、近代化の一時期に先進的な産業として
勃興した国内製氷業の歴史的遺産としての価値や、過去の災害を
経てなお90年間立ち続けている伊豆の伝統的な石造建築技術の
見本としての価値が評価されることなく建物は失われてしまう。

今にも解体される瀬戸際ではあるが、日本の近代化遺産の専門家、
石造建築の専門家に調査していただけないだろうか。

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このブログを読んでくださっている方で、そのような専門家に
お心当たりのある方は、南豆製氷応援団(はなぶさ)まで
至急ご連絡ください→090-4847-9646。よろしくお願いします。

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夕方、南豆製氷へ。

いつもと違って駐車車両がごっそりいなくなっている。
(昭和初期に建造された木造の第二製氷室が2008年末に取り壊され、
跡地は賃貸駐車場になっている)。
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これは、いよいよ解体工事が始まるのか。シートで覆われてしまうのか。
一年以上前から「これが最後か」という不安な気持ちで毎日写真を
撮ってきたのだが、とうとう見納めかと思ったら涙が出そうになった。
写真を70枚ぐらい撮ってしまった。

※写真の一部は「南豆製氷の画像」にUPしました。
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by nanzu-plus | 2013-12-02 23:55 | 日誌
日誌 2013.11.30
日誌 2013年11月30日(土)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。
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今日は個人的に驚くべき嬉しいニュースがあった!そのうちご報告します。

《下田まち遺産企画Vol. IV》は町中のいっぷく堂ギャラリーが使えないので
再検討しているが、いっそ開催は来年にしようかと考え始めたところです。
懐具合とも相談して詳細が確定次第このブログでお知らせします。

夕方、南豆製氷を撮影。六時でもすでに暗くてうまく撮れない。

《産業遺産のかけらを残そう(仮題)》企画は、製氷缶のふたに「南豆製氷」と
刻印する焼き印を注文するためサイト検索。まずは見積もりをとらなければ。
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by nanzu-plus | 2013-11-30 23:55 | 日誌
日誌 2013.11.28
日誌 2013年11月28日(木)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。
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ドラマ制作をしているという男性から電話がかかってきた。

人づてに南豆製氷解体を知って、ロケ地として撮影に使えないものか、
どこに連絡すればいいのか、という問い合わせだった。

どうやら撮影中に壊したり改変したりできるロケ地を探しているようだ。
解体現場ならどこでも良いようだった。聞いていて悲しくなった。
もちろん、彼のせいではない。

南豆製氷は自主製作映画のロケに使われたことがある。廃墟などが
かもし出す独特の雰囲気が大好きという監督さんが、映画の鍵となる
場面をぜひ南豆製氷で撮影したいと私たちを訪ねてきたのだ。

当時は、六つの貯氷室のうち東側のDE1で内壁が崩落したばかり。
そんな貯氷庫での撮影を認めるのはあまりに危険で無責任だと、
共に保存運動を進めてきた東京ベースの建築家たちは猛反対した。

地元メンバーは「貯氷庫を夢のある映像として後世に残してもらいたい」
という想いが強かった。真夜中まで電話とメールでケンケンガクガクの
大議論の末、引き受けたのだった。

撮影は2007年2月、極寒の貯氷庫で行われた。

さらなる崩落のシグナルを見落とすまいと、貯氷室の入口や内壁の
状態など、各部位を毎日測定していた。撮影中にけが人が出るなど
万が一のことがあっては、南豆製氷の保存そのものにも差し障る。

そこで、撮影スタッフ全員に安全ヘルメットの着用を義務付けて、
役者さんのヘルメットは応援団のメンバーが持って待機するという
緊迫した撮影現場となった。

さぞかしやりにくかったろうと思うが監督はじめスタッフの皆さんは
きわめて協力的で、撮影終了後に彼らが使用したヘルメットを
すべて寄贈してくれた。

かくして貯氷室DE3を舞台に幻想的な映像が創りだされたのだった。
映画そのものはその後お蔵入りしてしまったのが残念。

他にも、一青窈さんの『かざぐるま』のプロモーションビデオに
下田在住のペーパークラフト作家である広井通敏さんの風車が
フィーチャーされ、南豆製氷でも撮影が行われた。2005年の夏のこと。
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一青窈さんの『かざぐるま』の映像を下記URLでみつけました
http://www.dailymotion.com/video/x3axqi_%E4%B8%80%E9%9D%92%E7%AA%88-%E3%81%8B%E3%81%96%E3%81%90%E3%82%8B%E3%81%BE_news
******************************

2007年にはインディーズバンドのロケにも使われた。
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夕方、南豆製氷へ。

ちょうど田中豊さんから電話。下田商工会議所の現会頭だ。
2004年に設立間もないまちづくり会社・下田TMOを率いて、
南豆製氷を下田の活性化のために購入する計画を進めた人だ。

※下田TMO→http://www.stmo.org/

もともと南豆製氷応援団は下田TMOの活動を支援するために
市民有志もできることをやろうと2005年3月に発足させたのだ。
当初はTMOの資金集めと歩調を合わせて広報活動を行っていた。

下田TMOは2005年春に購入を断念、応援団が実施した署名に
応える形で当時の石井直樹市長が下田市による南豆製氷購入に
乗り出したのだった。

また、下田のまちづくりに関わっていた東京のNPO地域再創生
プログラムも、南豆製氷の保存運動に参加していた。

※NPO地域再創生プログラム→http://www.npo-rprogram.jp/

これらの動きが、2005年半ばから内外のまちづくり組織と行政、
草の根市民が協力して南豆製氷の活用を検討する“下田まち遺産
連携会議”へと発展していった。

閑話休題。

田中豊さんは南豆製氷の解体についてはすでに知っていた。

建物内に応援団メンバーだった元建設関係者のNさんの資材が
まだ残っているので、その扱いについてご本人に確認すべしとのこと。

南豆製氷は保存運動が始まった当初すでに80年間も稼働し続けた
工場だったため、保存して安全に活用するには(約1億円の購入費とは
別に)1億円ほどかけて構造を補強する必要があるといわれていた。

そのような大金をかけた補強は私たち市民にはできなかったが、
内外の様々な方々の協力を得て、劣化が目立つ箇所に簡単な
補修を実施してきた。
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貯氷庫の通路東側の壁面に沿った支柱や、機械室の梁の落下に備える
ための支柱、機械室外壁の北東角の伊豆石の落下に備えるネット
(これには須崎の某所から寄贈された漁網を使いました)など、
今も設置されたままだ。
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(仲間の一人が京都から持ち帰ったお札も建物内にある。
建造から90年を経てもなお立ち続ける南豆製氷は、もしかしたら
千手観音の無数の腕に助けられてもちこたえているのかも知れない…)。
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by nanzu-plus | 2013-11-28 23:59 | 日誌
日誌 2013.11.27
日誌 2013年11月27日(水)

※南豆製氷応援団Hの私的な記録です。ご容赦ください。
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下田のWさんから電話。

南豆製氷解体の噂を聞いたが本当なのか…。

2005年から2008年まで南豆製氷応援団が建物の管理・運営を
委託されていた頃のメンバー。

南豆製氷の伊豆石をぜひ町のために活用したい、費用はもちろん払う、
誰に連絡すればいいのか教えてくれとのこと。

私ではどうにもならないので、ひとまず教育委員会に問い合わせて
みてはどうかと伝える。

下田の教育委員会は南豆製氷が解体される際に簡単な記録調査を
実施することを所有者の方に快諾していただいている。

ただ、近代化遺産としての専門的な調査ではない。

南豆製氷は2004年に廃業するまで80年間にわたって現役で
操業し続けた工場だったせいか、静岡県の産業遺産には登録されて
いないので、近代化遺産として正式に調査されたことがないのだ。

電力を用いて氷を大量生産できるようになり、日本の近代化の
一時期に食品加工業を飛躍的に発展させた製氷業は、南豆製氷の
前身である伊豆製氷冷蔵株式会社が設立された1920年代には
先進的な産業だった。南豆製氷(前身)も、当時の業界誌に
伊豆半島初の製氷工場として取り上げられている。

南豆製氷は、たまたま21世紀まで稼働していたため奇跡的に
残った近代的な製氷工場であり、そのうえ伊豆が昔から伊豆石の
産地であったことから石造の工場だ。機械室、製氷室、貯氷庫を
ほぼ近代のままの姿でとどめている(それも石造の)製氷工場は
国内にもほとんど残されていない希少な建物なのだ。

でも、このままでは南豆製氷の歴史的な価値も客観的に評価される
ことなく失われてしまう。なんとかしなくては…。

Wさんとは南豆製氷にまつわる別の企画についても話をした。

南豆製氷で使われていた数本の製氷缶や、その木製のふた約200枚を
2008年に建物から撤収して以来、南豆製氷応援団が預かってきた。
(写真は2012年7月の企画展の際に展示した製氷缶とふた)
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日本の近代化遺産の貴重な遺物として、またアートなどに再生する
ための素材として残しておこうということだった。

現在も市内某所に保管していて、保管期間の更新依頼書を毎年、
市に提出してきた。この五年間、たまに状態を確認しに行っていた
のだが、そろそろ何らかの形で処分する時期にきていたのだ。

近代の下田の姿を今に伝える遺物は他にはほとんどないが
当時のバス会社や電力会社などの写真は残っているだろうから、
南豆製氷の写真や遺物などと合わせて「進歩の機運が高まり
様々な産業が勃興した近代下田」の展示コーナーを
適当な場所に設けてはどうかと考えてきた。

また、製氷缶のふたは大量にあるので、内外の創作者に提供して
作品として再生していただいたり、ベンチなどに加工して再利用
したりできないかと思い、「近代化遺産のかけらを次代へ伝える」
企画を準備し始めたところだったのだ。

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「近代化遺産のかけらを次代へ伝える」企画については
ここへきて南豆製氷の解体という事態になったため
タイミングを再検討して実施するつもりです。
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南豆製氷には複数の価値があり、また保存運動中に大勢の人たちが
様々な形でかかわったので、仕事の片手間にはこなせないほど
いろいろな“宿題”が残されたままなのが実情だ。
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by nanzu-plus | 2013-11-27 23:55 | 日誌
日誌 2013.11.26
日誌 2013年11月26日(水)

※南豆製氷応援団Hのごく私的な記録です。ご容赦ください。

午後、ある方から(所有者ではない)思いがけず電話がかかってきた。

南豆製氷は十二月から二ヵ月ほどかけて解体されると告げられた。

所有者の方が進めてきた市内Sホテルの解体が終了した後に
同じ業者が南豆製氷も解体して、伊豆石の一部はホテルの改装に
使われる予定とのことだった。

昨日、Sホテルの工事現場に久しぶりに動きが見られたので
悪い予感はしていた。一報に接して驚きはなかった。もう五年間も
崖っぷち気分を味わってきたので感覚がマヒしているのだろうか(汗)。
実感がわかない。わざわざご連絡いただいたことがありがたかった。

すぐに15人ほどにメールで報告した。

2005年から今まで協力してもらってきた仲間、建物の一部を購入する
計画に賛同したメンバー、南豆製氷で一緒にイベントを開催した仲間…。
所在地は下田市内と市外が半々ぐらいだ。

南豆製氷応援団の代表を務めていただいている清田さんは不在。
事故にあわれてからは前面に出て活動されてはいないが、応援団として
行動する際にはご相談しながら進めてきた。

他にも、メールアドレスを持たない数人が電話してもつかまらない。

皆様に報告しているうちに、まるで「偉人危篤」の一報を伝える
記者のような気分になっていた。

港町下田の昔からのアイデンティティを体現する今や数少ない
偉大な歴史的建造物が失われようとしている。

町中へ出る。商工会議所が市民ギャラリーとして運営している会場の
借用について問い合わせる。

この半年ほどは仕事が立て込んで活動といえるようなことはできないで
いたが、なんとか昨年のように年末年始にかけて企画展を開催したいと
思っていた。そのとき南豆製氷がどのような事態になっていたとしても、
アピールすべきことはあると考えていたからだ。

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企画展は12月21日から1月7日まで開催する予定です。
確定次第、ブログで広報します。
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この間、保存運動を長年見守ってきた方や、過去の経緯を知らない
最近の支援者の方に、あるいは「もっと現実的な保存の手段を考えろ」、
あるいは「何もできないなら保存は断念すると公表すべき」と、
叱咤激励していただいた(思えば叱られてばかり…苦笑)。

皆様のご期待(?)に添えず、力不足でごめんなさい。

南豆製氷は穏やかな陽光のなかで今日もたたずんでいた。

一日一回は南豆製氷の写真を撮ってブログに公開し始めてからすでに
一年以上たった。昨年10月31日までに買い手をみつけることができず
所有者の方にお叱りを受けたとき、「これで終わりだ。解体が始まる」と
覚悟して翌日から撮り始めたのだった。

あの頃は、よもや南豆製氷が建造90周年の元旦を迎えることが
できるとは予想していなかった。年末年始にかけて開催した企画展も
「解体工事は年明けからか。ならば、せめて元旦に90周年を祝おう」と
考えて、急きょ実施したものだった。

無駄な抵抗だと笑われてきましたが(汗)、市が購入を断念して
先行き不透明となり市外・県外の仲間たちの足は必然的に遠のいて、
地元で活動してきた仲間のほとんども心折れて離れてゆくなかで、
自らも様々な時期を経ながらそれでもこの建物と向き合ってきた。

その過程で生まれた「みんなの分も…」そんな想いの表れなのだと
思っています(おこがましいですが…)。

だから、最後まで写真は撮り続けます。今はうまく説明できませんが、
それが建物に対する最低限の敬意のような気がするのです。

2005年に南豆製氷で初めての個展を開いて以来、南豆製氷を
モチーフに作品を創り続けている下田の切り絵師・伽嶋清華さんも
同じ想いを共有しているのだと思っています。

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by nanzu-plus | 2013-11-26 23:55 | 日誌
日誌 2013.1.21 ≪南豆製氷1923-2013≫
2013年1月21日(月)
晴れ、のち曇り/来場者20人(市内10人/市外10人)+内輪1人

昨日きてくださったWさんが釣りに使う錘やテグスを持ってきてくれた。
風が吹き込むと写真が揺れるので、さっそく活用させていただく。

午後、S新聞が取材にきた。
そこへちょうど来場した埼玉県のH夫妻にインタビューに協力していただく。
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「ただ残すのではなく、活用してほしい」、「氷の彫刻体験を提供するなど、
イベントを開催して」など、それぞれコメントしてくださった。

私も、南豆製氷は歴史的建造物・文化財として保存するだけでなく、
旅人も地域の住人も集まる場として様々な用途で活用するのが良いと思う。

会場には応援団が南豆製氷で活動していた2005年から2008年までに
開催したライブや作品展などの写真を展示した。保存運動の一環として
皆様からカンパを集めて開催したイベントには市内外から多くの参加者が
訪れたが、そのときのにぎわいは参加した人たちしか知らないからだ。

保存して外観だけ整備して見学するだけの施設にすべし、という人もいる。
確かに内部も使えるようにするには補強費がかなりかかるので、少なくとも
保存後の数年間はそれでも良いのかも知れない。補強費用をねん出しつつ
段階的に整備・公開する計画でいけば建造100周年までに完成するのでは…。
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署名用紙などを置いた受付テーブルを会場正面に出してみた。
これで往来から少しは目に付くようになった。
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福島県から下田を訪れていたYさん、Sさんが話を聞いて署名してくれた。

静岡県建築士会のKさんがご来場。仕事で下田に来ていて、偶然通りがかった。
「国登録有形文化財よりも先に、地元下田市の歴史的建造物に指定すべきだった。
ただ、今はどこの自治体も文化財を増やしたがらない」と話してくれた。

確かに、当初まず下田市の歴史的建造物に指定しておけば、その後も市に
いくらかの責任が生じたはずだった。今からふり返れば反省点のひとつ。

さらに、Kさんは「天竜川河口の街道沿いに伊豆石の建物がたくさん残っている。
建築士会の西部ブロックでは伊豆石の勉強をしている」と言っていた。当の
伊豆より静岡県内の他の地域で大切にされている伊豆石…複雑な想いだ。

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下田のSさんが立ち寄る。2005年の秋に機械室で友人たちと演奏会を開催した
ときの写真の前でパチリ。アットホームで和やかな演奏会だった。

下田を舞台にしたアニメ『夏色キセキ』ファンの若い男性が来場。昨年すでに
テレビ放送は終了したが、アニメがご縁でその後も何度も下田に戻ってくる
彼のようなファンがたくさんいる。
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実は、会場となった空き店舗の隣にはアニメに登場した“ハリスの足湯”がある。

「アニメで鍵を握っていた“お石様”は伊豆石、南豆製氷も石造、伊豆石パワーの
源泉は火山」と説明すると、Yさんは「応援しますよ!」と言ってくれた。

下田の商店街は年々シャッターが下ろされたままの空き店舗が増えている。
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会場のある伊勢町通りはまだ明るいほうだ。今回の写真展も周囲の店舗の
閉店時間に合わせて19:00まで開催することにした。
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下田生まれの切り絵師、伽嶋清華さんが手作りサンドを差し入れしてくれた。
初の個展を南豆製氷で開いて以来の仲間だ。これまで南豆製氷をモチーフに
多数の切り絵を制作している。会場にも最新作を展示させてもらっている。
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下田のオヤジさんが三人来場。「本当は残してもらうといいんだがなぁ」。
それぞれ署名してくれた。
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19:00閉場。

※南豆製氷応援団の公式日誌ではなく、個人的な日誌です。ご了承ください。

(南豆製氷応援団H)
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by nanzu-plus | 2013-01-21 23:00 | 日誌
日誌 2013.1.20 ≪南豆製氷1923-2013≫
2013年1月20日(日)
晴れ/来場者11人(市内5/市外6)+内輪5人

10:00開場後も残った設営作業は続く。
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最初の来場者は仙台市からお越しのH夫妻。解体が迫っているとの説明に、
「函館や横浜では古い建物を残して観光に活用しているのに…」。

伊東市から来た三人家族のお父さん、「久しぶりに来たけどさびれたねぇ。
それでも伊東より洒落た店が多い。さすが、下田」。南豆製氷のことは
ご存じだった。ご家族そろって署名していただく。

金沢市からのリピーターNさん。2011年の企画展にも立ち寄ってくださった。
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河津の友人が来場、その場で写真を撮ってウェブに流してくれた。
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南豆製氷を撮影するために会場を空ける。毎日写真を撮ってブログに掲載して、
見守ってくださる皆様に南豆製氷がまだ立っていることをお知らせしている。
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途中、某喫茶店の方に「昨日行ったら開いてなかったよ」と言われる。
せっかくお越しいただいたのに、すみませんでした。
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下田のHさん。「南豆製氷のイベントにはよく行った。見学もしたよ。
この建物がなくなっちゃったら、なんか心に穴が空いちゃうみたいだものね。
署名は多いほうがいいんでしょ、私も集めてあげるよ」。ありがとうございます。
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下田在住の風車アーティスト・広井敏通さんが通りがかったので呼びとめる。

広井さんがデザインする花の形をした風車は、毎年冬の風が強い時期に
下田のベイステージエリアを飾る。市内の小学生を中心に多くの市民が
風車づくりに協力して開催しているイベントだ。

第一製氷室の製氷プールの木枠に無数の花の風車が飾られた時は
圧巻だった。歌手の一青窈さんが南豆製氷でロケを行った時も広井さんの
風車が背景に使われていた。
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下田のMさん、今日は午前中に行われた河津‐下田駅伝を走ってきたそうだ。
「アピールすべきは南豆製氷が建造された時代。市民は元気だった時代の
下田の写真を見たいはず。そして南豆製氷だけでなく、他の建物まで視野を
広げないと…」。保存に向けた良いアドバイスをいただく。
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下田のWさん。2012年に国内認定された“伊豆半島ジオパーク”の活動に
熱心に取り組んでいる方だ。「南豆製氷はジオサイトですよ」と話してくれた。

南豆製氷は伊豆に残る最大の石造建築(橋やトンネル以外)、そして伊豆石は
ジオパークのテーマである「火山からの贈りもの」のひとつ。下田のみならず
伊豆全体にとっても希少な文化財なのだ。火山活動によって形づくられた海岸線や
山肌の景観がジオパークは大きな見どころだが、火山と人のかかわりを示す
伝承、伝統、祭、風物など様々なものが見学対象になる。

夕方、下田の切り絵師で応援団メンバーの伽嶋清華さんが「旧南豆製氷所と
運命の輪」と題した作品を搬入。清華さんはこれまで南豆製氷をモチーフに
多くの切り絵を制作、最初の個展の会場も南豆製氷だった。

一日遅れの初日をなんとか無事に終えることができた。

※南豆製氷応援団の公式日誌ではなく、個人的な日誌です。ご了承ください。

(南豆製氷応援団H)
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by nanzu-plus | 2013-01-20 23:00 | 日誌


南豆メモ
南豆製氷 消滅


これまで建物を
残してくださった
所有者に向けた
≪ありがとう募金≫
2013.11.30 終了
合計:36万3,593円

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下田TMO
NPO地域再創生プログラム
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