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伊豆下田の南豆製氷を  未来に活かすサイトです。
by nanzu-plus
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日誌 2013.1.11 市民の意識
夕暮れどきの南豆製氷は絵になる。
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_21305688.jpg

下田は港町。南豆製氷が立つ稲生沢川の河口の向こうには大海原が控える。
そのためか雲の形や色がダイナミックなのだ。江戸時代に町立てされた
旧町は東西南北のマス目に沿った町並み。南豆製氷はその北端に位置する。

大正12年(1923年)に建てられた南豆製氷は下田の水産業の近代化に
貢献し80年間も支え続けて奇跡的に21世紀まで残った。そして2013年、
これまた奇跡的に建造90周年を迎えている。

※写真:『賀茂郡勢概要』(大正12年) 棟上げ式の写真と伝わる
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_2151886.jpg

今は年度内には解体するとの情報が入っているので
いつ工事が始まってもおかしくない中でこんな日誌を書いている。
(週明け15日に1,000筆を突破した請願署名を市長に追加提出します。)

解体すると言う所有者の足を(いつものように…汗)引っ張り続けて
追いすがって(すみません、本当に)、10月初旬に“買い手を探すなら
月末までは解体しない”と言っていただいたのだが、短期間では
買い手はみつからず。

以後、本業に追われて活動できず。万事休すとあきらめかけたとき、
最近ずっとメールで激励してくださっているIさんに叱咤され、
「最後の一人になってもあきらめない」と決めた初心に立ち返り、
解体されるまで再生を求めてできることを細々と続けている。

貧乏ヒマなし忙殺されてはいるが(笑)、それでも一日に一度は
必ず町へ出て南豆製氷の存否を確認して写真を撮ってブログに掲載して、
これまで8年間応援してくださってきた方たちへの最低限のメッセージ
だけは継続中。

今日も夕方ダッシュで南豆製氷を見にゆき写真を撮って旧町側の
顔であるファサードまで戻ると、近所の顔見知りのおばさんが
犬を散歩していて、南豆製氷について話し込んだ。

「解体しないんじゃないの?ずっと立ってるものね。
署名が集まったから解体しないでしょ。あたしも署名したよ。」

多くの市民は下田市が南豆製氷を所有していると思い込んでいる。
現所有者が購入した経緯については公式記録がないので仕方ない。

※写真:2012年11月2日
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_2131347.jpg

「そうかい、解体されるのかい。(跡地に)何か建てるのかねぇ。
駐車場かね?お稲荷さんは丸裸になっちゃうねぇ(隣接する住吉稲荷)。
うちらも良い風よけになってたんだけど…。」

※写真:2012年10月1日
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_2131975.jpg

「それにしてもひどいねぇ。何年もほったらかしだから(建物が)傷むよねぇ。
こっち側は立派な感じだけどね(ファサードのこと)。」

そうなのだ。応援団が建物を借用して一般公開や広報イベントを
開催していた2005年から2008年までは、南豆製氷には毎日人がいて
夜はライトアップされ月一回の全館大掃除(これがまた広いし古いので
大変なのだった)を行っていた。

特に老朽化が進んだ箇所は毎日のように点検して、2006年には下田内外の
市民や建築家や学生さんらを巻き込んで大がかりな補修工事も実施した。

安全性を理由に応援団が現所有者に建物を返還して以来、建物の周囲には
ぐるりと足場が組まれ、市内唯一の国登録有形文化財であるこの貴重な
近代化遺産は完全に放置されてきた。屋根瓦なんか、もはや波打っている(涙)。

※写真:2012年10月14日
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_21311851.jpg

漁業用の大きな氷を製造する原動力を提供していた機械室のルーバーも
あちこち板が抜け落ちている。90周年をこんな情けない姿で迎えるなんて…。

※写真:2012年11月10日
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_21312433.jpg

ただ、現存する第一製氷室は近代の製氷業の様子を今に伝えて健在。
2008年末に木造の第二製氷室が取り壊され、開口部が増えて気候の変化を
もろに受けるようになった分、雨が降れば湿気るが、晴れれば再び乾く。

※写真:2012年12月31日
日誌 2013.1.11 市民の意識_f0009157_21313252.jpg

購入と構造補強でおよそ二億円というのは、確かに高いハードルだ。
でも、それ以上に今の下田では市も市民もやる気が見えない。夢がない。
それこそが問題のような気がしてならない。

皆で知恵と力を結集すれば十年後の建造100周年までに耐震補強して
歴史教育や観光のための施設に再生できるのではないだろうか。

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それにつけても地元民に向けた広報活動は難しい。
ウェブで見て知った市外の方たちのほうが熱心なぐらいだ(汗)。
いくら新聞に書いてもらっても、イベントを開催しても、
一軒ずつチラシを配って歩いても、なかなか効果が上がらない…。

皆様、ぜひ広報にご協力をお願いします。
市長宛ての請願署名も南豆製氷の命運が決するまで続けています。
※詳しくはトップの「情報」をお読みください。

(南豆製氷応援団H)
by nanzu-plus | 2013-01-11 21:00 | 日誌
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南豆メモ
南豆製氷 消滅


これまで建物を
残してくださった
所有者に向けた
≪ありがとう募金≫
2013.11.30 終了
合計:36万3,593円

::Links::::::::::::::::::::::::::::::
下田まち遺産連携会議
下田TMO
NPO地域再創生プログラム
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